九州支部の活動

長崎県自転車活用推進計画 (素案)に意見表明
(2019.3.15)

自転車加害事故に備えた賠償責任保険の加入義務化を長崎県に要望

 一般社団法人日本損害保険協会 九州支部 長崎損保会(会長:矢野 一成・損害保険ジャパン日本興亜株式会社 長崎支店長)では、長崎県が2月21日(木)〜3月13日(水)の間に実施した「長崎県自転車活用推進計画 (素案)」に関するパブリック・コメント(意見募集)に対し、矢野 長崎損保会会長名 で意見表明を行いました。

 今回、長崎県は、環境に優しく経済的にも優れ、かつ、健康にも良い「自転車」の利用拡大に向け、国において2017年5月に「自転車活用推進法」が施行され、さらに、2018年6月には国における「自転車活用推進計画」が策定されたことを踏まえ、「長崎県自転車活用推進計画」(2019年度〜2021年度)を策定するため、パブコメに付したものです。

■長崎県自転車活用推進計画 (案)の概要

 1.策定趣旨 − 自転車の総合的・計画的活用の推進を目的に、目標・施策の方向性を示したもの

 2.計画の位置付け − 自転車推進活用法に基づき定めるもので、国の自転車活用 推進計画を勘案しつ
           つ、長崎県総合計画チャレンジ2020の下部計画として位置付け

 3.計画の目標・施策 −
   目標1 自転車を快適に利用できる良好な都市環境の形成
       施策1 自転車通行空間の計画的な整備推進
       施策2 違法駐車取締りの推進による自転車通行空間の確保
       施策3 まちづくりと連携した総合的な取組の実施
   目標2 サイクルツーリズムによる観光振興と地域活性化
       施策4 サイクルイベント開催における支援
       施策5 地域の魅力を活かしたサイクルツーリズムの推進
   目標3 自転車事故のない安全で安心な社会の実現
       施策6 自転車の安全利用の促進
       施策7 学校における交通安全教育の推進
       施策8 自転車通行空間の計画的な整備推進【施策1の再掲】
   その他の取り組み
       (1)健康増進に関する取組方針
       (2)保険などの加入を促進させる取組方針

 4.計画の進め方(指標の設定)−
   指標1 自転車活用推進計画を策定した市町数
      【実績値 0市町(2017年度)→ 目標値 4市町(2020年度)】
   指標2 地域の協議会で設定したモデルルートに対して走行環境の整備に着手した地域の数
      【実績値 0地域(2018年度)→ 目標値 3地域(2020年度)】
   指標3 自転車乗用中の交通事故死傷者数
      【実績値 197人(2015年)→ 目標値 145人以下(2020年)】
   指標4 交通安全について指導している学校の割合
      【実績値 99.8%(619校)(2015年度)→ 100%(620校)(2019年度)】
 これに対し、長崎損保会では、当協会として、地域における安全・安心を推進する観点から、長らく学校教育活動の中で中学生・高校生を対象に交通安全講話等を通じて交通事故防止活動に取り組んできた点、あるいは、自転車シミュレータや高規格救急車等の機材を寄贈し、直接的に地域の安全・安心に貢献する活動を行っている点を踏まえ、以下2点の意見表明を行っています。

≪意見内容≫
■自転車利用者の安全意識醸成の必要性
 自転車乗用中の死傷者のうち、自転車側に法令違反が認められた割合が約3割を占める現状を踏まえ、「施策6 自転車の安全利用の促進」・「施策7 学校における交通安全教育の推進」に関しては、当協会としても自転車利用者の安全意識を醸成するため、推進強化の必要性を感じている。

 当協会では、「自転車シミュレータ」を自転車安全利用の実践的な教材として、(一財)長崎県交通安全協会をはじめ全国の交通安全協会に寄贈し啓発に役立ててもらっており、同協会は充実した啓発機材を有しており、これらを活用した教育が有効と考えている。

 また、当協会では、自転車事故の防止に向けた啓発冊子の作成等も行なっており、これらを是非、自転車安全教育を推進するうえで役立てていただきたい。

■保険などの加入を促進させる取組方針
 「(2)保険などの加入を促進させる取組方針」に関しては、全国的に自転車に関する損害賠償責任保険への加入を条例で義務化する地域が増えており、長崎県においても条例に保険加入義務を明記する等、一定の強制力を発揮する方針設定が必要ではないかと感じている。

 実際の自転車加害事故事例では、1億円近い高額賠償請求事案が発生していることを踏まえ、九州内でも既に鹿児島県が「加入義務」、福岡県・熊本県が「加入努力義務」を条例化している。ついては、素案における保険加入の促進および啓発に留まらず、義務化を明記した条例整備をお願いしたい。

 また、TSマークの加入実態は自転車購入時が最も高く、その後毎年点検を行う利用者はごく少数ではないかと懸念しており、保険加入と同様に、年に1度の自転車点検・整備を条例で義務化することについても併せて検討をお願いします。

 なお、当協会としては、学校教育現場等での自転車利用に関するルールの周知、自転車加害事故に伴う損害賠償責任に関する知識の啓発あるいは自転車事故に備えた損害賠償責任保険の加入の必要性の啓発等、自転車安全教育の推進に関して、従前より取り組んできているが、他の啓発手法の検討を含め、引き続き行政・関係各機関と連携しつつ行なっていく所存。

 長崎損保会では、今後も行政や関係機関と協力し、交通事故防止に資する取り組みを継続して推進していきます。